講師紹介|北海道鍼灸専門学校

講師紹介

経絡治療ゼミ

浅香 寛一 夜間部第6期生(1981年卒業)

東札幌鍼灸整骨院

小樽商科大学卒業後、証券会社勤務を経て本校へ入学。国家資格取得後、1982年東札幌にて開業し、同年経絡治療学術団体東洋はり医学会に入会。東洋はり医学会札幌中央支部を設立し、後輩の指導にあたる。日本伝統鍼灸学会会員、北海道鍼灸師会会員。

身体全体を整え、生命力を高める治療が鍼灸の魅力

鍼灸師になって36年余りになりますが、鍼灸治療について知ったのは社会人になってから。証券会社でサラリーマンをしていた私に、整骨院を経営していた父が柔道整復師と鍼灸師の資格取得を勧めたのがきっかけでした。ですから経絡(けいらく)治療を知ったのも北海道鍼灸専門学校に入学した後で、こんな医療があるのかと驚いたことは今でも印象に残っています。
 西洋医学では、〝胃”に何かあれば〝胃”の組織の異常ととらえ、〝胃”に治療をしていきますが、経絡治療では手足のツボに治療を行い、身体全体の気の巡りや陰陽のバランスを整え、その人の持っている生命力を強化することで〝胃”を治していきます。生命力(免疫力)を高める治療法ですから当然時間はかかりますが、攻撃的ではない、副作用のない優しい治療です。また経絡治療の、〝人間は自然から生まれたものであり、自然の天地で育まれている”という考え方にも感銘を受けました。
 鍼灸師は自分の治療に対して、常に反省しながら自己評価していくことが大切です。「適切な治療ができたか」は毎日自問自答します。心に残っているのは、お医者さんから紹介された末期がん患者さんのこと。経絡治療を続け、一時的に仕事復帰ができるくらいお元気になられましたが、その後、お亡くなりになられました。奥様からの「先生に巡り合えたことを感謝しています」というお手紙を読んだときの気持ちは忘れません。この仕事をしていて良かったと心から思います。

※講師のコメントは2017年のものです

女性鍼灸ゼミ

菅原 万貴 夜間部第21期生(1997年卒業)

鍼灸治療院 寿あき屋

本校卒業後、鍼灸治療院、脳神経外科、整形外科などで実績を積み、2006年に寿あき屋を開院。国際鍼灸医師、JFACe認定美容鍼灸師、インド中央政府公認ヨーガ・セラピーインストラクターの資格を持つ

鍼灸師は患者さんの笑顔を取り戻す幸せな職業

鍼灸との出合いは、ガンの疼痛緩和として鍼治療が行われていることを知ったのがきっかけでした。鍼灸の可能性に魅せられた私は、高校卒業後、迷うことなく北海道鍼灸専門学校に入学。卒業後は鍼灸治療院のほかにもさまざまな医療機関で働き、多くの治療の現場を経験しました。
 なかでも強く印象に残っているのが、脳神経外科に勤めていたときに担当させていただいた顔面神経麻痺(ベル麻痺)の患者さんのこと。「朝起きると突然顔が動かなくなっていた」と病院を受診されました。ドクターも後遺症を心配するほどの重い症状でしたが、患者さんの「治したい」という強い思いでリハビリに専念した結果、ほとんど後遺症が残らないほどまでに回復したのです。人間の「治癒力」のすごさを改めて感じた瞬間でした。
 身体の痛みや不調は、日常生活において大きなストレスになります。鍼灸師は、暗い気持ちで来られた患者さんの痛みを取るだけでなく、気持ちも明るくなっていただき、日常に笑顔を取り戻すお手伝いができる幸せな仕事です。患者さんによって原因も体質も違いますが、より良い治療を行うことで、「治癒力」も高まり、症状が改善していく様子をともに実感できるのは大きな喜びです。
 また、一生探求していける分野なので、自分が勉強すればするほどやりがいも大きくなります。

※講師のコメントは2017年のものです

中医学ゼミ

齊藤 正樹 夜間部第23期生(1999年卒業)

正樹鍼灸整骨院

本校卒業後、整形外科、循環器病院、鍼灸整骨院などの勤務を経て2002年に正樹鍼灸整骨院を開業。現在、日本鍼灸師会 代議員、北海道鍼灸師会 常任理事 広報部長、札幌鍼灸師会 理事 学術部長を務めるなど活躍。柔道整復師、国際針灸医師などの資格を持つ

一人でも多くの人に、鍼灸のすばらしさを知ってほしい

柔道整復師と鍼灸師の資格を取得し、治療院や病院に勤務した後に、開業しようと決めたのは今から16年前のこと。札幌にはないスタイルの治療院をつくりたいと、東京に2カ月滞在しさまざまな治療院を巡りました。そして現在の場所に、中国伝統医学を基に治療を行う鍼灸院を開業。治療を行いながら日々勉強を続け、2006年には中国で「国際針灸医師資格※」も取得しました。鍼灸治療は急性のぎっくり腰や寝違えなどの運動器疾患には特に即効性があるので、来たときには身体をまっすぐにして歩くことのできなかった患者さんが、治療後は笑顔で歩いて帰っていく姿を見られるのはこの仕事の醍醐味と言えます。
 また、リウマチや重篤な皮膚疾患など慢性的なものを一度の治療で治すのは難しいですが、身体の変化は感じてもらえますし、きちんと説明して長く通っていただければ結果は必ずついてきます。鍼灸治療はさまざまな病気に大きな効果があり、中国では難病や皮膚癌などに対しても積極的に鍼灸治療が用いられますが、日本ではあまり知られておりません。これからこの業界を担っていく学生の方々に少しでも多く鍼灸のすばらしさを伝え、世間に広めていってもらうことがゼミでの私の役割だと思っています。
※中国政府衛生部が外郭組織する「世界針灸学会連合会」が主催、実施しているレベル試験。中国伝統医学療法に携わる医療人材に対し、理論知識と臨床技能の国際的な統一規格基準を設け標準化し、医療人材の水準評価と質的向上をめざすために設けられた試験です。

※講師のコメントは2017年のものです

スポーツトレーニングゼミ

伊藤 秀吉 夜間部第38期生(2014年卒業)

フリーランス

スポーツ系の専門学校卒業後、本校へ入学。アイスホッケー日本代表チームにトレーナーとして7年間帯同した後、2018年2月の平昌オリンピックではモーグルスキーのナショナルチームに帯同。鍼灸師のほかアスレティックトレーナーやパーソナルトレーナーなど10以上の資格を持ち、スポーツ界の第一線の選手たちを支えている

身体を強化するトレーナー、身体をケアする鍼灸師としてスポーツ現場で活躍

中学・高校とテニス部に所属して気がついたのは、自分がテニスのプレー以上にトレーニングが好きだということ。練習メニューの中でもトレーニングが好きで、将来はトレーニングを人に教える仕事がしたいと考えるようになりました。
 高校卒業後はスポーツ系の専門学校へ入学し、アスレティックトレーナーやパーソナルトレーナーなど10以上の資格を取得。実践で経験を積むために、スポーツジムでインストラクターのアルバイトも始めました。ところが、インストラクターとして実際に人と関わっていくと、今度はスポーツには治療が欠かせないと気付いたのです。鍼1本で効果が出せる即効性ある治療に心を惹かれ、スポーツの学校を卒業してすぐ、今度は北海道鍼灸専門学校へ入学。
 在学中はトレーナーとしてアイスホッケー日本代表チームに帯同。そして今回はモーグルスキーナショナルチームのトレーナー兼鍼灸師として、平昌で選手をサポートすることができました。スポーツの世界では、トップ選手になればなるほど休むことができません。
 でも、痛みを抱えたまま競技を続けなければならない選手に鍼灸治療を施すことで、痛みは確実に軽減できます。選手にとって嬉しいことですが、鍼灸によって自分が提供できるサポートの幅が広がったことは僕自身にとっても大きな喜びです。トレーナーとして身体を「強化」し、治療家として身体の「ケア」ができる。ゼミでは、鍼灸師はスポーツ現場でも活躍できるライセンスだと学生に伝えています。

※講師のコメントは2017年のものです

養生学ゼミ

那須 博文 夜間部第27期生(2003年卒業)

友好鍼灸院

50歳で医薬品卸会社を退職し「世界平和巡礼」に出発。世界各地を1年余りかけて祈り歩いた後、本校へ入学。鍼灸師の資格を取得し、中国・北京へ渡り中日友好医院・中医針灸科の当時の主任医師・白玉闌教授に師事。臨床実習を行いながら北京中医薬大学の研究生として学ぶ。2005年3月より開業。気功の指導者としても活躍中

地域の健康を守るために、本校で身につけた技術を広めてほしい

50歳までは企業に勤めていましたが、退職を機に新たな人生をはじめようと思い、世界平和巡礼に参加。アメリカ、ヨーロッパ、アフリカなどを1年1カ月かけて巡り、医療の普及していない地域もたくさん見てきました。
 そこで医療の手が届かない地域にも、自らの健康を守るため「養生の考え方を伝えること」に力を注ぐ決心をしました。帰国後、40歳から取り組んでいた気功を通して養生の考え方を伝えるために、気功のレベルアップをめざしました。まずは気功の土台である中医学を勉強するため北海道鍼灸専門学校へ入学。最初は知識だけ身につけるつもりで鍼灸治療をする気はありませんでした。
 ところが在学中、社会福祉法人で事務長を務めていた時に、高齢の入居者の方々が身体の不自由さに苦しむ姿を見て、助けることはできないだろうかと思うようになりました。そこで、気功で養生を伝えるだけではなく、しっかり治療もできる鍼灸師になろうと考えを改めました。鍼灸師になってからも海外での巡礼を続けており、特にネパールへは年に一回訪れています。
 小さな村には医療機関が少なく、十分な医療が受けられないという実態があります。そこで、現地の人々への治療はもちろん、気功で経絡を通す運動など、養生の考え方なども教えています。
 鍼灸師として、治療院で患者さんを待っているのではなく、自ら外へ出て身につけた知識と技術を広めていくことが、私の役割だと思っています。

※講師のコメントは2017年のものです

漢方・食養生ゼミ

山崎 千可子 夜間部第44期生(2020年卒業)

鍼灸治療院 縁~yosuga~宮の森店

薬学部を卒業後、薬剤師として20年以上調剤薬局に勤務。漢方についても学び2011年に国際中医専門員資格を取得。その後本校へ入学し、卒業後は鍼灸治療院 縁~yosuga~宮の森店の院長を務める。自律神経を専門に鍼灸治療のほか漢方、食など幅広い知識で患者さんをサポートしている

東洋と西洋の両面から、患者さんを支えます

大学を卒業して以来薬剤師として勤務していた私は、30代で原因不明の体調不良が続き普通に働くことができなくなってしまいました。病院でいろんな科を受診しても全く原因がわからない―そんな状態が続き、最後にたどりついたのが循環器内科。たまたま漢方に詳しい先生で、処方された漢方薬を飲むと身体がラクになるのを感じたのです。その漢方の効果・効能に書かれていたのは「体が弱っている人」向けということ。そのとき初めて自分の身体が弱っていたということに気づきました。同時に、病院に行っても「異常ありません」と言われてしまう自律神経に注目するようになりました。
こうした経験をきっかけに漢方に興味をもつようになり、本格的に漢方の勉強をスタート。その後、漢方を勉強したからにはツボについても学ぼうと思ったことが、北海道鍼灸専門学校に入学した理由でした。鍼灸師になろうと考えていたわけではなかったのですが、現在は縁があって自律神経を専門とした治療院で働いています。
治療院を訪れる患者さんの大半は女性です。さまざまな症状で困っているのに、病院に行っても原因がわからず、改善もしない―そういう方がたくさんいらっしゃいます。そこで鍼灸治療のほか、薬剤師としての知識と資格を活かして漢方や食養生についてお伝えしています。東洋と西洋の両面から健康のお手伝いをすることで感謝していただけるのがとてもうれしいです。

※講師のコメントは2021年のものです

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